医療脱毛は、脱毛の中でも強い出力のレーザーを施術に使います。そのため、妊娠中に継続して通って良いのか疑問に思う方も多いことでしょう。
今回は、医療脱毛と妊娠の関係について解説していきます。
もくじ
妊娠してたら医療脱毛できない?妊娠中の医療脱毛について。
医療レーザー脱毛を行っているクリニックの多くが、妊娠中に施術を受けることを禁止しています。「明確に禁止」とホームページに記載していないクリニックもありますが、基本的に妊娠中は医療レーザー脱毛は受けてはいけないものと考えてください。
医療脱毛クリニックの公式サイトから、いくつか引用してみますね。
Q 現在妊娠中なのですが、医療レーザー脱毛の施術を受けても大丈夫ですか?
A 申し訳ありませんが、照射できかねます。
基本的には妊娠中でも医療レーザーの照射は母子ともに影響はないとされておりますが、当院では下記の理由により照射をお断りさせていただいております。
①肌トラブルが起きてもお薬を服用いただけない為
②ホルモンバランスが不安定なので、発毛状態が安定せず脱毛効果が得られない可能性がある為
引用:リゼクリニック「よくある質問」より
Q レーザーによる体への影響はありますか?
A とくにはありません。しかし、妊娠中、授乳中、お子様への施術はあらゆるリスクを考え、施術をお断りさせて頂いております。万が一コース中に妊娠してしまった場合は、出産後の施術をおすすめしております。
引用:クレアクリニック「よくあるご質問」より
多くのクリニックが、「レーザーによる体への影響はない」ものの「妊娠中はホルモンバランスが不安定になること」「肌トラブルが起きても薬を飲めない」などあらゆるリスクを考えて妊婦への施術を禁止しています。
クリニック側が禁止していることなので、妊娠がわかったら施術を受けるのは産後まで控えましょう。せっかく契約したのだから早く脱毛したい気持ちはわかりますが、トラブルがあっては大変です。
妊娠が発覚した場合の対処法は?
妊娠がわかった時点で、肌トラブルなどを考慮して施術を中止するようにしましょう。クリニックに妊娠したことを伝え、今後の予定について相談しましょう。
一番やってはいけないのは、脱毛を早く終わらせるためにクリニックに黙って施術を受け続けることです。
- 妊娠中はホルモンバランスが崩れ、肌が敏感な状態になる
→炎症が起こりやすい、痛みを感じやすいなどのトラブルが起こりがち - 何らかのトラブルが起こっても、薬の服用が難しい
- 脱毛時の痛みや不安が、妊婦のストレスにつながることがある
- 脱毛時の痛みが陣痛を誘発し、早産などにつながる危険性がある
自分と子供の健康をしっかり守るためにも、妊娠中の脱毛は我慢しておきましょう。
コースの有効期限を確認しておこう!
施術を中断するのにあたって気になることは、コースの有効期限が切れてしまうことです。妊娠から出産までは10カ月ほどかかります。その間に期限切れになって、払ったお金が無駄になるのは嫌ですよね。
妊娠が分かったら、クリニックに報告するとともに有効期限についてよく確認しておくことをおすすめします。
女性の妊娠を考慮して有効期限を5年などあらかじめ長めに設定しているクリニックもあります。妊娠から出産、授乳まで含めても2年ほどですから、5年なら子育てがある程度落ち着いてからの再開でも十分な期間です。
ですが、クリニックによっては有効期限がもっと短く設定しているところもあります。
妊娠が理由で期間を延長できるクリニックもある
クリニックによりますが、良心的なクリニックでは、妊娠を理由に脱毛期間を一旦休止し、有効期限を延長できるクリニックもあります。
そうした制度があるか、コールセンターに電話して確認しましょう。
引っ越しする場合は、返金制度について確認しておこう
また、中には妊娠をして引っ越しを考える方もいると思います。遠方への引っ越しとなれば解約をしなければいけません。
クリニックによっては解約にあたって違約金が必要になったり、違約金はかからなくてもコースの残り金額が返金されない、といったことがあるので、契約内容をよく確認してください。
妊娠に気づかずに脱毛してしまった…お腹の子供に影響はありますか?
「妊娠発覚前にレーザー脱毛を受けてしまった!」という場合はどうしたら良いでしょうか。妊娠初期のお腹の子供は大丈夫なのか、不安に感じられると思います。
先ほど引用したクリニックのQ&Aにあるように、脱毛で使用されるレーザーは母子の体に影響を及ぼすものではないとされています。
脱毛期間中に妊娠したとしても、発育に問題が生じるような深刻な影響が出ることはありません。
- ホルモンバランスが変化しているため脱毛効果が出にくい
- 脱毛時の痛みで陣痛を引き起こす可能性がある
- ストレスを感じることでつわりや吐き気につながる
- 肌トラブルや痛みが出ても飲み薬の処方ができない
妊娠に気付かないでレーザー脱毛を受けてしまったからといって、お腹の子に悪影響が出ることはないので安心してください。
レーザーは胎児に危険を及ぼすものではない
脱毛で使用するレーザーの光はレントゲンのように透過はせず、肌の真皮までしか届きません。その奥にある皮下組織は皮下脂肪の壁によって守られているので、レーザーが直接胎児に照射されるようなことはありません。
また、レーザーを使用する脱毛なので、照射によってがんになるのでは、と心配される方もいらっしゃるかもしれません。しかし、がんの原因となるのは主に紫外線であり、脱毛で使用しているレーザーとは全くの別物です。
クリニックの「よくある質問」でも見かけることの多い疑問ですが、紫外線やX線とは光の種類が全く違うと考えてください。
赤ちゃんに影響するとすれば、脱毛時のストレスの方
お腹の赤ちゃんに影響するとすれば、レーザーによる施術よりもむしろ先に挙げたストレスなどの方です。
ストレスを受けると人間はアドレナリンを放出して戦闘態勢に入るのですが、この時に血液は心臓や脳など、重要な器官へ優先的に回されます。問題は子宮の優先順位が低いことで、血液をなかなか送ってもらえず後回しにされてしまう臓器なんですね。
子宮に送る血液が少なくなれば、血液から栄養を受け取っている胎児は栄養不足になってしまいます。すると、胎児の発育に悪影響が出る可能性はゼロではありません。
心配しすぎなくて良いけど、発覚した時点で休止するべき!
医療レーザー脱毛の光が直接胎児に当たらなくても、間接的に悪い影響を与える可能性があることはよく覚えておかなければいけません。自分はストレスを感じていないと思っていても、脱毛の痛みが胎児に悪影響を及ぼす可能性は捨てきれません。
さらに、ホルモンバランスが崩れている妊婦は痛みや炎症が出やすかったり、ベッドに寝そべった姿勢が負担になったりすることもあります。脱毛効果も出にくいともいわれているので、無理に妊娠中に脱毛を進めるのは良いこととはいえません。
いつから脱毛再開できる?医療脱毛を再開するタイミングについて
妊娠中に脱毛をストップしたあと、いつから脱毛再開できるのか、気になる方も多いことでしょう。ただ、実は脱毛再開のタイミングについては特定の決まりは設けられていません。
出産直後から受付を行っているクリニックもあれば、授乳が完全に終わってから、としているところもあります。つまり、いつ医療脱毛を再開できるのかは、通っているクリニックによって異なるということです。
ここからは医療脱毛を再開すべきタイミングについて、詳しく見ていきましょう。
妊娠中はもちろん、授乳中も控えておいた方がベター
有効期限もあるし「出産したらすぐに脱毛を再開したい!」という方も多いとは思います。しかし授乳中はまだホルモンバランスが安定していないため、妊娠中と同様、多毛症による脱毛効果の低下が考えられます。
さらに、産後は妊娠中よりもさらに多くのストレスを抱えやすい時期です。慢性的な睡眠不足や疲れを感じることも少なくないですし、初めての出産であれば育児に対する不安も大きいでしょう。
そのような状態で無理に脱毛を再開しても、母乳の出が悪くなったり、体調を崩す原因になります。
クリニックのQ&Aにもこのような記載がありますね。
Q 現在、子供を出産し授乳中ですが医療レーザー脱毛の照射を行っても大丈夫ですか?
A 妊娠中の方同様、授乳中の場合でも、医療レーザー脱毛のご照射は、お断りさせて頂いております。
授乳期間中は照射後の炎症止めや、万が一の際の飲み薬が処方できない為です。また、出産を終えてからの女性の体は、まだホルモンバランスの状態が通常に戻っていない為、発毛状態や肌の状態が変化する場合がありますので、授乳期間を終え、ホルモンバランスが正常になってから照射いたします。
引用:リゼクリニック「よくある質問」より
そして、母乳に薬の成分が入ってしまうことを避けるため、授乳中も飲める薬の種類には制限がかかります。こうしたことを考えて、一般的に脱毛を再開しても問題のないタイミングとされるのは授乳が終わってからです。
脱毛を再開するタイミングは、その人&クリニック次第
とはいえ、脱毛再開のタイミングを決めるのは、最終的にはこれまでお話ししてきたように自分とクリニック次第ということになります。
できるだけ早く脱毛再開を望んでいて、クリニックが出産直後からでも脱毛を受け付けているなら、施術内容や注意点について一度相談してみてください。
参考までに、人気クリニックの施術再開の条件をまとめてみました。
クリニック | 出産後の再開条件 |
---|---|
アリシアクリニック | ・母乳が出なくなっている ・授乳が完全に終わっている |
湘南美容外科 クリニック |
・出産後3カ月経過している |
リゼクリニック | ・授乳期間を終え、ホルモンバランスが安定している |
湘南美容外科なら、授乳中でも脱毛再開できる
この中で一番早く脱毛再開できそうなのは、湘南美容外科クリニックです。授乳の有無についての条件はなく、出産後3カ月で脱毛再開が可能です。
リゼクリニックは「授乳が終わってホルモンバランスが安定してから」なので、出産後1~2年は脱毛できない期間があるということになります。クリニックによってこれだけの違いがあることはあらかじめ理解しておいた方がいいでしょう。
湘南美容外科クリニックのように、授乳中でも施術を再開できるクリニックなら、施術を受ける際の注意事項を説明してもらい、自分自身で納得ができたら再開することができます。
授乳中に脱毛再開する場合は、赤ちゃんへの影響に注意
ただし授乳中に脱毛再開する場合は、下記のようなことに気を付けましょう。
- 胸の周辺や両脇、背中などは避けて施術をすること
(授乳に影響を及ぼすような部位に対する刺激や、薬の塗布はすべきではない) - ホルモンバランスが安定していないため、効果が出にくい&肌トラブルがでやすい
- トラブルがあっても使える薬が限られること
こうしたデメリットをよく考えたうえで、授乳中に本当に脱毛再開しても大丈夫かよく主治医とも話し合って決めると良いでしょう。
また、赤ちゃんをクリニックに連れて行くことは基本的にできません。授乳期の赤ちゃんをひとりで置いていくわけにもいきませんから、通院が困難になることも考えられます。
「ホルモンバランスが安定」とはいつのこと?
授乳が終わるまで待ってから再開する方は、生理によって細かな時期を判断する方法があります。
目安は、授乳が終わってから、2~3回生理が来たあたりです。
授乳完了からどれくらいで生理がくるかは個人差があるのですが、生理の再開は再び妊娠できる身体に戻ったことを意味します。つまり、生理がくることは身体の状態が妊娠前の状態まで戻りつつあるサインなんですね。
ですが、生理が再開した直後はまだホルモンバランスが安定していない可能性も高いため、先ほどお話しした2~3回ほどの生理を確認してからの方が安心でしょう。
脱毛再開のベストタイミングは、やはり授乳が終わってから
脱毛効果の面からも、トラブルが起こった際の対処のしやすさからも、授乳が終わってからの脱毛再開がおすすめされます。
医療脱毛と妊娠に関するQ&A
妊娠中は体毛が濃くなる!?
妊娠するとホルモンバランスが変化し、体毛が濃くなることがあります。
「妊娠したら体毛が濃くなった」という悩みを抱える女性は少なくありません。
妊娠すると「プロゲステロン」という女性ホルモンの分泌量が増加し、毛を抜けにくくする作用が働きます。その結果、お腹周りの毛などが濃くなることがあります。
これは一時的なもので、出産や授乳が終われば、身体はまた妊娠前の状態へと戻っていきます。体毛が濃くなってもまた少しずつ毛が薄くなっていくので、あまり深刻に悩む必要はありません。
妊娠中は肌が敏感な状態なので、肌に直接刃が触れない電動シェーバーを使って自己処理すると良いでしょう。もちろん処理した後にはしっかりと保湿することを忘れないようにしてくださいね。
医療脱毛が完了した後に妊娠すると、また毛が生えてくるって本当!?
永久脱毛した部分からは生えてきませんが、皮膚の下に残っていた毛が生えてくることがあります
クリニックでしか受けることができない医療レーザー脱毛は、サロンの光(フラッシュ)脱毛に比べて出力が高く、効果が高い脱毛方法です。
毛を作る毛乳頭を完全に破壊するわけですから、しっかりと医療脱毛を終えていればそこから新たな毛が生えてくることはありません。
しかし永久脱毛といわれるレーザー脱毛でも、毛が生える可能性を完全に0にすることは残念ながらできません。
実は、施術を受けていた時には毛が生えていなかった場所でも、毛穴そのものは存在します。レーザーはメラニン色素に反応するので、さすがにまだ生えていない毛まで脱毛することはできません。その毛穴が妊娠をきっかけに活性化した場合、新たに毛が生えてきてしまうのです。
この場合、新たに生えてきた毛を脱毛することは可能ですが、施術を受けるのは出産を終えてから適切なタイミングになるまで待ちましょう。
医療脱毛は非常に高い効果を持つ脱毛方法ではありますが、妊娠によって起こる身体の変化は多岐にわたります。体毛が濃くなるのも妊娠の症状のひとつなので、落ち着いて対応しましょう。
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